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岩松 和宏; 山下 真一*; 田口 光正; 木村 敦; 倉島 俊; 勝村 庸介
no journal, ,
高LET放射線であるイオンビームは低LET放射線である線や電子線などとは異なる照射効果を引き起こす。その照射効果はイオンビームの飛跡にそった高密度かつ不均一な活性種分布に由来する。イオンビームの照射効果の解明を目的に、低LET放射線での蓄積から放射線分解の挙動がよくわかっている水を媒体として研究を行った。水分解生成物のうち生成量も多く強力な酸化剤である水酸化(OH)ラジカルに着目し、そのプローブとしてBrイオンを用い時間分解光吸収測定実験を行った。イオン種としては19.2MeV/uのH、11.4MeV/uのHe、15.8MeV/uのC、12.8MeV/uのNeを用いた。OHラジカルとBrとの反応で過渡的に生成するBrの光吸収が375nm([Br]=9000Mcm)の波長で観測され、照射直後から2分子反応により減少した。吸光度から生成収率(個/100eV)を求めたところ、照射直後の収率は、原子番号の増加とともに1.8から0.6まで減少した。原子番号が大きくなるにつれ、トラック内のラジカル初期密度が増加し、ラジカル同士が反応し、その結果Brと反応したOHラジカルが減少したためと考えられる。Brの減少速度は原子番号の増加とともに早くなった。これは、二分子反応で消滅するBrの濃度が、LETすなわち原子番号の増加に伴い増加したことが原因と考えられる。現在、トラック構造モデルに基づいた3次元化学反応解析を進めている。